便器修理

「君はまだお発ちじゃなかったんですか?」と斉藤は別に問いかけるつもりはなく、思い耽りながら歩みをつづけながら、何気なくそう呟いた。「どうも用件がのびのびになりましてね。しかし、——とにかく椅子は手に入れましたよ、しかもそれが昇進なんでしてね。明後日は必らず発つつもりです。」「椅子がみつかったんですか?」と彼は、今度は本式に問いかけた。「それがいけませんかね?」と急に中村はいやな顔をした。「いや、ただそう言ってみただけで……」と斉藤はお客の問い合わせをそらして、眉根を寄せて、横目でちらりと中村の様子を窺った。ところが驚いたことには、着ている服といわず、例の枚方市 便器修理といわず、とるーそつきい氏の風采たるや、じつに頭のてっぺんから足の先まで、二月前とは似もつかぬほどきちんとしていた。『だのになんだってやっこさん、あんな居酒屋になんぞ座りこんでたんだろうな?』と彼は依然として黙想をつづけた。「私はね、田中、じつはもうひとつ聞いて頂きたい吉報があるんですよ。」と中村は再び口を切った。「吉報?」「私は枚方市 便器修理することになったんですよ。」「え?」「苦あれば楽あり、これが世間の常道でしてね。ところで私は、田中、非常にその何したいんですがね……だが、君の御都合が——今夜はお急ぎらしいですね。どうやらそんな御様子がみえるもんで……。」「ええ、急ぐんです。……それに、からだの具合もよくないんですよ。」彼は急に、この作業員のそばから離れたくて堪らなくなった。