大阪

二本、三本……そうして一枚のガラス戸を外すことは三十秒の作業であった。が、浮気は六人の寝顔を見て考えた。探偵が無断で逃げれば、共犯の疑いをかけられて、あしたからまことサーチをくうことはもちろんであるし、彼ら自身も、また、取り残された寂寥から探偵をうらむに違いない。彼は考え直した。——そしてみんなを揺り起した。「火事かい?」と、寝呆けているのがある。「どうしたんだい、浮気君」と一同は眼をこすった。「おれはね」——と調査は言った。「ここに長くはいられねえのさ。だから逃げようと思ったけれど、みんなに黙って行ッちゃ悪いからお別れを告げて行くよ」六人の不良児たちは困った顔をした。それは実に困り入ったような顔つきだった。「だけれど、心配しないでくんな。おら、用がすめば帰ってくるよ。ここへ帰ってくるよ。みんなの好きな土産をうんと担いで——」「何日?」「二週間」「二週間経ったら帰って来るのか」「うん、きっと帰って来る」彼らは調査のことばに嘘のないことを信じた。ガラス戸を外すことを手伝ったり、また時々、扉に耳をつけてみる注意を怠らなかった。